第55回全国公立高等学校事務職員協会九州協議会研修報告書

    
学校名 沖縄県立開邦高等学校
    職氏名 事務主事  古堅 美奈子



第1分科会

内容及び感想(学校現場にどのように活用できるか等)

○熊本県「不審者から学校を守る」
 学校には不特定多数の人が訪れるため、いつ事件事故が起きてもおかしくない状況にある。そのため、職員全員が日頃の取り組みと危機発生時の対応について共通の認識を持っていなければ、危機的状況に陥ったときとっさに動くことは不可能である。
 非常に身近な題材であり、危機管理・非常時の対応について再認識させられた。
日々の業務を行っている中で、防犯意識は薄い。来校者に対しても、身なりや話し方、名刺の提示で善意の来校者と判断してしまう。今までは、受付を通した後はあまり気にとめていなかったが、用のないはずの場所を歩いていたり、様子がおかしい時には声を掛けようと思う。単に道に迷っているだけの場合もあるので。また、不審者侵入時に供えた訓練を行ったり、不審者に対する情報交換等、警察及び地域住民との連携を密にすることも大切であることを考えさせられた。

○沖縄県「平成18年台風第13号による被害状況と考察」

 助言者より、非常にわかりやすくまとめられた発表だったと好評をいただいた。台風が直撃した場合でも、予想される台風の規模に応じた具体的な対応のマニュアルを作成することで、あらかじめ職員は適切な対応ができ、学校の被害を最小限に抑えることができる。これは台風時に限らず、地震や洪水、火災等すべての災害発生時にも応用して活用できると思う。
 発表後の質疑応答の場でも活発なやりとりがあり、九州各県で関心が高いことが分かった。

○大分県「学校事務職員と救急救命」
 生徒及び職員の救急救命事態に関する対処について、養護教諭や保健体育教諭に任せっきりになっていないかという問題提起で発表が始まった。実際に私も、救急救命は医療の知識のある人が関わるものだと思いこんでいたので、考えさせられることが多かった。
 発表者が実際に救急救命講習を受けて、講習の内容やその意義、アンケートの集計結果をそれぞれ写真と表で、ユーモアを交えての発表だったので、非常に興味深かった。受講者に対するアンケートでは、ほとんどの人が受講後に自信がついたと答えており、受講する前と後では確実に意識の変化が見られる。しかし、講習を受けてもしばらくすると忘れてしまうため、毎年の職員研修に取り入れるなどして、再受講できる機会を作る必要がある。
 学校で働く以上、誰もが直面しうる問題であるため、職員一人一人が常に自覚を持たなくてはいけない。私も受講する機会があれば是非参加したい。事務職員の適切な対応でリスクを最小限に抑えることができれば幸いである。
 
○鹿児島県「とある学校事務室の一日」
 どの学校でもある事務室の一日を追いながら、普段は見落とされがちなささいな出来事に疑問符を投げかける内容の発表だった。電話の応対から来客者への対応、施設整備など誰でも必ず経験することであり、普段の私の仕事の仕方を顧みるいい機会だった。忙しいときに電話が鳴ったり、窓口に来校者がみえたりすると、避けたくなる気持ちになるが、相手は私が忙しいことはもちろん分からない。不快な気持ちにさせることがないように、相手の立場に立って対応し、日々の業務を丁寧にこなすように心がけたい。また、最近では公務員の資質が何かと取りざたされる。時代の目、地域の目を常に意識し、公務に従事する者であることを忘れずにいようと思う。



特別講演

内容及び感想
 テレビ朝日コメンテーター 三反園 訓 「どうなる日本」

 ニュースのコメンテーターで特に好きなかただったので、今回講演を聴くことができて非常に嬉しかった。政治の話が主だったが、政治家の裏話を「ここだけの話ですよ」と冗談を交えての講話で、とても楽しい90分だった。
 講話の中で、感銘を受けたのが、格差社会の問題についてです。勝ち組、負け組という言葉があるが、勝ち組になるためにはどうすればいいか。まず社員のモチベーションをあげる。叱り方も大事で、ただ叱りつけるのではなく、「君ともあろうものが〜」というように、君はこの会社に必要な人間だということを伝える。確かに私もそうだと思う。「君に言っても分からない」や「代わりはいくらだっているんだ」という言葉は、使い方を間違えるとモチベーションどころか、社員を失いかねない。
 そして、勝ち組であり続けるには、何かのまねごとではなく、これに関してはどこにも負けないものがあること。学校でも同じことが言える。少子化社会を生き抜くためには、学校の独自性を出さなければいけない。ほかの学校にはない特色のある学校を作れば、おのずと生徒は集まるということでした。
 実際に、私が以前努めていた名護商業高校では、日本初の金融経済を教える「ファイナンス科」が設立され、マスコミや金融庁から注目されていました。しかし、新しいことを始めるのは簡単ではありません。リスクを伴うし、関わる人達を説得できるだけの自信や根拠が必要になります。それなりの覚悟とそれ以上の情熱の持ち主がこの格差社会を引っぱっていると思うと、感慨深かった。
 私は社会を引っぱるだけの度量も才能も持ち合わせていないが、学校で必要とされる事務職員を目指して日々努力しようと思う。